人魚姫とリトル・マーメイドの違いを徹底解説|キャラクター設定や結末まで紹介

リトル・マーメイド アニメ03
画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより
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『リトル・マーメイド』は、アンデルセン童話の『人魚姫』を原作としたディズニー映画です。

しかし、この2つの作品はストーリーが大きく異なることをご存じでしょうか?

『リトル・マーメイド』を見たことがある方は、

「原作とアニメは何が違うの?」「原作の結末はよく知らない」

と思っているかもしれません。

実は『人魚姫』の物語には、ディズニー映画にない「残酷な描写」や「悲しい結末」があるのです。

この記事では『人魚姫』と『リトル・マーメイド』の違いについて、キャラクターの設定や作中で描かれないシーンを基に比較していきます。

2作品の意外な違いや知られざる設定も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』のあらすじ

人魚姫01

『人魚姫』は1837年に、デンマークの作家“ハンス・クリスチャン・アンデルセン”によって書かれた童話です。

1991年に日本で公開されたディズニー映画『リトル・マーメイド』は、『人魚姫』を原作としていますが、主人公のキャラクター性や物語の方向性は大きく変えられています。

まずは、2作品のあらすじを整理してみましょう。

アンデルセン原作『人魚姫』

引用:Popo Kids(ポポキッズ)YouTubeより

海の底に住む人魚姫は、地上での暮らしに憧れを抱いていました。

ある日、嵐で海に落ちた王子を助けたことをきっかけに、彼に恋をします。

人魚姫は海の魔女と取引し、「声」と引き換えに人間の足を手に入れますが、その足は歩くたびに激しい痛みを伴うものでした。

王子のそばで暮らすものの想いは届かず、王子は別の女性と結婚してしまいます。

人魚姫は人魚に戻るために「王子を殺す」選択を迫られますが、それを拒み自ら海に身を投げました。

ディズニー映画『リトル・マーメイド』

引用:ディズニー・スタジオ ムービーストア 公式YouTubeより

海底の王国・アトランティカに暮らす人魚・アリエルは、人間の世界に強い憧れを抱いています。

ある日、嵐で海に投げ出されたエリック王子を助けたことをきっかけに、アリエルは彼に恋をします。

もう1度彼に会いたいと願うアリエルは、海の魔女アースラと契約し、「声」と引き換えに人間の姿を手に入れました。

アリエルはエリック王子と再会しますが、アースラがアリエルの声を使って変身した女性・ヴァネッサに妨害されてしまいます。

終盤ではヴァネッサの正体を知ったエリック王子がアースラに立ち向かい、戦いの末に彼女を倒しました。

その姿を見たアリエルの父・トリトン王は2人の想いを認め、魔法の力でアリエルを人間の姿に変えます。

人間になったアリエルはエリック王子と結婚式を挙げ、幸せに暮らしました。

2作品の内容を簡単にまとめると、以下の通りです。

人魚姫:静かで切なさを感じさせる物語

リトル・マーメイド:冒険と恋愛を中心に描いた明るい物語

同じ物語をもとにしながらも、作品の方向性が大きく違うことが分かります。

1番の違いはラスト!ハッピーエンドか、悲しい物語か

リトル・マーメイド アニメ

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』を比べた時、最も印象が分かれるのが「結末」です。

どちらも「王子に恋をして、魔女の力で人間になる」という同じ設定から始まりますが、迎える結末は大きく異なります。

原作:王子との恋は実らない

原作の人魚姫は、最後まで王子の愛を手に入れることができませんでした。

人魚に戻るためには「王子を殺し、彼の返り血を浴びる」必要がありましたが、彼女はそれを選ばず、自ら海に身を投げます。

人魚姫は、見返りを求めない愛と自己犠牲を貫いたことで神に認められ、「空気の精霊」として生まれ変わります。

王子と結ばれることはありませんでしたが、精霊として「永遠の魂」を得るという、別の形での救いが与えられたのです。

ディズニー映画:王子との恋が叶うハッピーエンド

『リトル・マーメイド』の主人公アリエルは、エリック王子と無事に結ばれました。

アースラを倒し、父トリトンにも想いを認められたアリエルは、人間として生きることを許されました。

物語のラストでは、アリエルとエリック王子の結婚式が描かれます。

「真実の愛を信じ、行動すれば夢は叶う」という、誰もが安心して見られるハッピーエンドです。

なぜここまで印象が変わるのか?

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』は、どちらも“愛”をテーマにしていますが、その捉え方には明確な違いがあります。

原作が問いかけているのは、「報われなくても、相手を傷つけない選択をする」というテーマです。

一方、ディズニー映画は「自分の想いに正直に行動することで、未来は切り開ける」という前向きなメッセージを伝えています。

この2つの結末は「悲劇のヒロイン」と「幸せを掴んだヒロイン」という、真逆の人物像を描いているのです。

本当に同じ主人公?人魚姫とアリエルを比較

リトル・マーメイド アニメ06

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

人魚姫とアリエルは、同じ物語を基にしながらも、性格や行動に大きな違いがあります。

2人を比べていくことで、作品全体の印象が変わる理由がはっきり見えてきます。

じっと耐え続ける人魚姫

原作の人魚姫は、内向的で控えめな性格として描かれています。

声を失い、強い痛みに耐えながらも、自分の苦しみを誰かに訴えることはありません。

王子のそばにいながら想いが届かなくても、彼の幸せを優先し、最後まで自分の気持ちを押し殺します。

原作の人魚姫は、「耐えること」や「犠牲になること」で愛を示すヒロインだと言えるでしょう。

自分の意思で行動するアリエル

引用:ディズニー公式YouTubeより

『リトル・マーメイド』の主人公アリエルは、明るくポジティブな性格のキャラクターです。

人間の世界への憧れも、エリック王子への恋心も、隠さずまっすぐに行動で示します。

声を失っても、表情や仕草で気持ちを伝えようとし、仲間たちの助けを借りながら運命を切り開いていきます。

アリエルは「自分の選択で未来を変えようとする」ヒロインとして描かれています。

2人の考え方や行動の違い

人魚姫は、愛する人の幸せのために自分を犠牲にすることを選びました。

アリエルは自分の想いを信じ、行動することで幸せをつかみ取ります。

この違いは「我慢と献身」を美徳とする価値観と、「自分らしく生きること」を大切にする価値観の違いと言えます。

同じ人魚姫という存在でも、時代や作品によって、求められるヒロイン像は大きく変化しているのです。

2つの物語に共通する「人間になる代償」

人魚姫02

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』には、どちらも「人間になるためには代償が必要」という条件があります。

原作は想像以上に残酷な描写があり、ディズニー映画ではそれが別の形で描き直されています。

2作品で描かれる「人間になる代償」を比較していきます。

実はかなり怖い原作

人魚姫 文庫本

画像引用:Amazon 公式サイトより

原作で描かれる「人間になる代償」は、かなり残酷なものです。

海の魔女が出した条件

・美しい声と引き換えに、尾ひれを人間の足に変える

・その足で歩く度に、ナイフで抉られるような痛みが走る

・王子に心から愛されなければ、海の泡になって消える

人魚姫の恋の成就よりも、「何かを強く望むことが、生き方そのものを変えてしまう」怖さを描いています。

声を失う=気持ちを伝えられないこと

アースラ

画像引用:金曜ロードショー 公式Xより

ディズニー映画では、原作のような肉体的な苦痛は描かれません。

その代わりに強調されているのが「声を失うこと」です。

アースラが出した条件

・美しい声と引き換えに、3日間だけ人間にする

・3日以内にエリック王子とキスができなければ、アリエルの全てがアースラのものになる

アリエルは声を失ったことで、自分の想いや正体を伝えられないまま、エリック王子と過ごすことになります。

ディズニー映画で描かれる代償は「気持ちを伝えられない」という、観る人が共感しやすいものとして表現されています。

ディズニーが残酷な描写を描かなかった理由

リトル・マーメイド DVD

画像引用:Amazon 公式サイトより

ディズニーが原作の残酷な描写を避けたのは、『リトル・マーメイド』が子ども向けのアニメーション映画として制作されたためです。

物語の中心には、「好きな人と結ばれる」「夢を叶える」「家族との和解」といった、年齢を問わず共感しやすいテーマが据えられています。

その結果、子どもから大人まで楽しめるハッピーエンドへと再構成されています。

物語を動かすキャラクターの違い|王子・魔女・家族

リトル・マーメイド アニメ04

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』では、主人公の描かれ方だけでなく、周囲のキャラクターの設定や役割にも大きな違いがあります。

原作とディズニー映画における、主人公を取り巻くキャラクターの描かれ方の違いを比べてみましょう。

原作の王子とエリック王子

エリック王子

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

『人魚姫』に登場する王子は、人魚姫が一方的に想いを寄せる存在として描かれています。

冒頭で海に落ちた王子は人魚姫に助けられますが、彼女が「命の恩人」であることには最後まで気づきませんでした。

原作の王子は、彼女の「報われない愛」を象徴する人物として描かれているのです。

『リトル・マーメイド』に登場するエリック王子は、嵐で海に落ちた自分を助けてくれた女性(アリエル)に恋をします。

しかし、アリエルとの再会時には彼女が声を失っていたため、別人だと思い込んでしまいます。

最終的にはアリエルが「命の恩人」だと気づき、アースラとの戦いにも自ら立ち向かいました。

王子の描かれ方の違いは「主人公の恋が実るのか」という、物語の方向性の違いを表しています。

海の魔女とアースラ

ヴァネッサ

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

原作に登場する『海の魔女』は、人魚姫の願いを叶える代わりに「足と引き換えに声を失う」「王子に愛してもらえなければ、泡になって消える」という条件を出します。

海の魔女は主人公を積極的に陥れるのではなく、人魚姫の覚悟を際立たせる存在と言えます。

ディズニー映画の『アースラ』は“トリトン王の地位を奪う”という目的のために、アリエルの恋心につけ込む悪役として描かれています。

中盤ではアリエルの声を利用して人間の女性『ヴァネッサ』に変身し、エリック王子との仲を引き裂こうとします。

海の魔女が人魚姫に選択を突きつけるのに対し、アースラはアリエルの恋を妨害するキャラクターとして、物語に緊張感を生み出しています。

人魚姫の祖母と姉たち

アリエルの姉たち

画像引用:金曜ロードショー 公式Xより

『人魚姫』に登場する人魚姫の姉たちや祖母は、「人魚と人間の違い」や「地上で生きることの厳しさ」を伝える存在です。

身近な人達の言葉を通じて、人魚姫が人間の世界に憧れを抱いていく様子が描かれています。

祖母の言葉

・300年生きられる人魚と違い、人間は短命であること

・死ねば泡になって消える人魚とは違い、人間は魂が天国へ召されて永遠に生き続ける

・人間は異形の存在である人魚を愛することはない

姉たちの行動

・海の魔女と取引をし、自分達の髪と引き換えにナイフを手に入れる

・人魚姫に「王子の返り血を浴びれば元に戻れる」ことを伝える

原作における姉たちと祖母は、主人公に導きや助言を与え、その意思を尊重するキャラクターです。

トリトン王

トリトン王

画像引用:金曜ロードショー 公式Xより

“トリトン王”は『リトル・マーメイド』に登場する、アリエルの父親です。

彼は人間を「野蛮な存在」と呼び、娘を守るために「海の上に行くな」と厳しい態度を取り続けます。

しかし、物語が進むにつれ、トリトン王はアリエルの強い想いと覚悟を目の当たりにします。

最終的には「お前の好きなように生きるがいい」と伝え、アリエルとエリック王子が結ばれることを受け入れました。

トリトン王が「娘の人生を尊重する」存在へと成長し、家族と和解することがハッピーエンドへとつながっているのです。

愛のかたちは正反対?2つの物語が描く「本当の幸せ」

リトル・マーメイド アニメ07

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

『人魚姫』と『リトル・マーメイド』では、主人公の愛の形や結末が大きく異なります。

2作品を比較することで、それぞれが描く「本当の幸せ」の違いが見えてきます。

人魚姫の「見返りを求めない献身的な愛」

人魚姫03

『人魚姫』の主人公は、王子に恋をした人魚姫です。

彼女は「歩く度に激痛が走る」「愛されなければ泡になる」という命の危険を冒してまで、王子との交流を深めていきました。

この物語で描かれるのは、「見返りを求めず、相手の幸せを願う愛」です。

人魚姫の愛が報われないとしても、自己犠牲や王子への愛が「空気の精霊」として生まれ変わる救いに繋がりました。

アリエルの「自分で選ぶ愛」

リトル・マーメイド アニメ05

画像引用:ディズニー・スタジオ(アニメーション)公式Xより

『リトル・マーメイド』の主人公アリエルは、エリック王子との愛を自分の力でつかみ取ります。

「声を失う」「アースラに邪魔をされる」など数々の困難を乗り越え、父トリトン王にも想いを認められたアリエルは人間となり、エリック王子と結婚しました。

ここで描かれるのは、「自分の想いを原動力にして、愛を手に入れる力」です。

努力と勇気によって幸せを掴むという、アリエルの前向きな意思が表れています。

正反対の愛が描く「幸せ」の違い

原作:報われなくても尽くす愛 → 自分の心の成長や内面的な救い

ディズニー映画:自分で選ぶ愛 → 自ら行動して手に入れる幸せ

人魚姫とアリエルの「愛のかたち」を通して、それぞれ違った幸せのあり方を描いています。

愛の形や幸せの価値はひとつではなく「人によって違う」ことが、作品を通して伝えられています。

まとめ

今回は『人魚姫』と『リトル・マーメイド』について、物語のテーマや登場人物の役割の違いを中心に見てきました。

『人魚姫』では報われなくても相手を思い続ける愛や、自分の選択と向き合う姿が描かれています。

一方、ディズニー映画『リトル・マーメイド』では、自分の想いを原動力にして、幸せをつかむ物語へと描き直されました。

どちらも愛や幸せの形は違いますが、「自分がどう生きたいか」「何を大切にするか」を考えさせてくれる作品です。

だからこそ、『人魚姫』は時代を超えて、今も多くの人に語り継がれているのです。